補聴器
補聴器は、メガネとは異なり、何度かにわたる調整が必要になります。調整にあたっては、個々の患者様の生活状況に応じて必要とされる「聞こえ」が違うことも考慮に入れなければなりません。夫婦二人の間で会話が成り立てば良いという方もいらっしゃれば、大勢の人中で話をかわす必要のある方もいらっしゃり、ご要望は様々だからです。
また、長年難聴が続いていた方では、脳が音に対して弱くなっており、補聴器(HA)の音がうるさく感じられてしまうものです。こうした方では、音に対するリハビリが不可欠です(だいたい3ヶ月程度)。うるさく感じられている間は、丁寧な調整を繰り返します。当院では、適宜「適合検査」を行いながら、最適な調整をいたします。
なお、補聴器を用いて「聞こえ」を良くすることは、音による脳への刺激が増し、認知症の予防につながると言われています。
耳鳴り
耳鳴りは、自分にしか聞こえず、とてもわずらわしいものです。しかも、耳鳴りを消し切るのは、まだ難しいのが現状です。しかし、ほとんどの耳鳴りは、それが原因となって聞こえが悪くなったり、脳の病気を招いたりするようなことはありません。
当院では、TRT(耳鳴再訓練療法)を中心とした治療を行っており、1,000例超の症例を経験していますが、その8割程度の患者様の耳鳴りが緩和しています。