その他の病気
その他、耳鼻咽喉科では、下記のような疾患がよく見受けられます。
風邪
風邪は、正式には「風邪症候群」と言い、鼻や喉に生じる急性炎症の総称です。主にウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすため、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、痰、発熱などの症状を招きます。ごくありふれた病気でありながらも、よく「風邪は万病の元」と言われるように、風邪を発端にいろいろな病気に進展しかねません。中耳・鼻・喉の病気は、そもそもは風邪に始まる感染性の病気が多いものです。たかが風邪と侮らず、症状が気になったら、早めに受診なさることをお勧めします。
- 症状
- 喉の痛み、咳、鼻水、発熱、くしゃみ、頭痛など。
- 検査
- 問診や診察を行って、他の病気ではなさそうだと判断できれば、風邪と診断します。しかし、風邪であれば通常は数日で治るので、それ以上の期間にわたって治らないような場合は、こじらせてしまっていたり、別の病気だったりする可能性があります。
- 治療
- 現れている症状(発熱、頭痛、咳、鼻水など)に対して、それぞれの症状を軽くするための薬を組み合わせて処方します。症状を和らげる対症療法薬を上手に使いながら、体が自分の力で治るのを助けるのです。さらにウイルス感染に引き続いて起こりやすい細菌による二次感染を予防する目的で、抗生物質を使用することがあります。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染によって起こり、普通の風邪よりも急激に発症し、症状の重いのが特徴です。通常は、症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。しかし気管支炎や肺炎を併発しやすく、脳炎や心不全に至るケースもあり、油断できません。
- 症状
- 高熱、悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状、咳、痰、呼吸困難、腹痛、下痢などの胃腸症状などが現れます。
- 検査
- インフルエンザ検査キットを用いて判断します。10分程度で結果が出ます。耳鼻咽喉科では上咽頭まで検査用の綿棒をしっかりと入れますので診断がつきやすいです。
- 治療
- インフルエンザに対する治療薬として、内服薬、吸入薬などあります。年令や症状に応じて選択します。
嚥下障害
嚥下障害とは、簡単に言えば「飲み込めない」ことです。食べ物を口から胃までうまく運ぶことができない状態です。嚥下障害は、近年高齢化によって増加しています。70才以上では、3割の人でなんらかの嚥下障害を生じている可能性があると言われています。放置しておくと肺炎を繰り返し、体力が低下し命にかかわる状態になります。初期の場合ですと嚥下訓練などで回復が期待できます。耳鼻咽喉科では外来で色のついた水を飲んで検査することができます。炎症のような原因は、内視鏡検査など、耳鼻咽喉科の診察で調べることができます。神経や筋肉の病気を疑う場合は、内科医の協力が必要になることもあります。
- 症状
- 食べ物や水分が飲み込めない、食事中によくむせる、飲み込んだ後も口の中に食物が残るなどのほか、低栄養や脱水を招いたり、また誤嚥性肺炎を起こして発熱を繰り返したりすることもあります。
- 検査
- 内視鏡で喉頭を観察しながら着色水を飲み込んで観察する方法(嚥下内視鏡検査:VE)を行います。
- 治療
- 治療は障害の原因によって異なりますが、食事中の姿勢や一口量を調節する、食べ物の固さやとろみを工夫する、唾液を飲み込む訓練、嚥下に関係する口や舌、喉仏を動かす筋肉を鍛える、などによって残された「飲み込む」機能を上手に使うための「嚥下指導」(リハビリテーション)が中心になります。当院では、この嚥下指導を行っておりますので、ご相談ください。